「日本株か米国株か」という問いに正解はない
投資を始めた人が一度は悩む問いがこれです。
「日本株と米国株、どっちに投資すればいいの?」
結論から言うと、どちらが絶対に正解という答えはありません。ただ、それぞれの特徴を理解した上で「自分はどちらに、なぜ投資するか」を言語化できることが大切だと思っています。
私自身、投資信託(オルカン・S&P500)で米国株メインに運用しながら、個別の日本株にも約200万円投資しています。両方を持って運用してきたからこそ見えてきたことを、正直に書いていきます。
まず数字で比較する
| 比較項目 | 日本株 | 米国株 |
|---|---|---|
| 代表指数 | 日経平均・TOPIX | S&P500・NASDAQ |
| 時価総額(世界シェア) | 約6% | 約62% |
| 過去10年のリターン | やや低め | 高い(年平均10%超) |
| 配当利回りの傾向 | 高め(2〜4%台も多い) | 低め(1〜2%台が中心) |
| 為替リスク | なし(円建て) | あり(ドル円の影響) |
| 情報収集のしやすさ | しやすい(日本語) | やや難しい(英語情報多い) |
| 割安感(PBR・PER) | 割安な銘柄が多い | 割高な銘柄が多い |
米国株のメリット・デメリット
メリット
① 長期リターンが高い
S&P500の過去30年以上の年平均リターンは約10%。日本株と比べると圧倒的な成長率です。これはGAFAMに代表されるテクノロジー企業が世界経済を牽引してきたことが大きな理由です。
② インデックス投資との相性が良い
オルカンやS&P500に連動するファンドで手軽に分散投資できます。個別株の知識がなくても「米国経済全体に投資する」という考え方で始めやすい。
③ 株主還元が積極的
米国企業は株主への還元(増配・自社株買い)を重視する文化があります。連続増配企業(配当貴族)が多く、長期保有のモチベーションになります。
デメリット
① 為替リスクがある
円高になると、ドル建ての資産価値が円換算で目減りします。2022〜2023年のような急速な円安局面では恩恵を受けますが、逆もあり得ます。
② 割高感がある
PERで見ると、米国株全体は20〜25倍程度で推移することが多く、日本株より割高です。高いリターンを期待して高値で買うリスクもあります。
③ 税制・制度面の複雑さ
米国株の配当には現地で10%の税金が引かれ(外国税額控除で一部取り戻せる)、日本株より手続きがやや複雑です。
日本株のメリット・デメリット
メリット
① 為替リスクがない
円建てで投資するので、為替の動きに左右されません。特に円高局面では、米国株よりも安定感があります。
② 配当利回りが高い銘柄が多い
日本株には配当利回り3〜4%台の銘柄が多く存在します。安定配当を軸にした「配当投資」がしやすい市場です。
③ 割安な銘柄を発掘しやすい
PBR1倍割れ(解散価値以下)の銘柄がまだ多い日本市場は、バリュー投資の観点から見ると発掘余地があります。東証の改革もあり、企業のROE改善や株主還元強化が進んでいます。
④ 身近で情報収集しやすい
日本企業の製品・サービスを日常で使っているので、ビジネスモデルが理解しやすい。決算書も日本語で読めます。
デメリット
① 長期的なリターンで米国株に劣る
失われた30年と言われるように、日本株は長期で見ると米国株に大きく見劣りします。日経平均が1989年のバブル最高値を超えたのは2024年と、実に35年後のことでした。
② 個別株分析に手間がかかる
インデックス投資と違い、銘柄を自分で選ぶ必要があります。決算読み・業界分析・競合比較など、継続的な学習が必要です。
③ 経済成長率・人口動態の課題
少子高齢化・人口減少という構造的な課題を抱えており、国内消費に依存した企業は長期的な成長が期待しにくい面があります。
「どっちか」より「どう組み合わせるか」
私の結論は、「どちらか一方ではなく、目的によって使い分ける」です。
資産形成のコア(長期・積立)→ 米国株インデックス(オルカン・S&P500)
長期リターンの高さと分散の観点から、インデックスファンドを通じた米国株への投資をメインに据えています。
学びと配当収入のサブ(個別株研究)→ 日本株
銘柄分析の練習と、配当収入を得る目的で日本の個別株にも投資しています。全体の約13%と比率は低めに抑えつつ、「投資の解像度を上げる場」として活用しています。
薬剤師として「エビデンスに基づく判断」を大切にするのと同じように、投資でも「なぜその選択をするのか」を言語化することを意識しています。「米国株か日本株か」という問いも、自分の目的に照らして考えると答えが見えてきます。
まとめ
- 米国株:長期リターンが高く、インデックス投資との相性◎。ただし為替リスクあり
- 日本株:配当利回りが高く、割安銘柄を発掘しやすい。為替リスクなし
- 正解は「どちらか」ではなく「目的に応じた組み合わせ」
- 資産形成のコアは米国株インデックス、学びと配当はで日本株個別株、というのが私のスタンス
投資の答えは人によって違います。自分のリスク許容度・目標・ライフプランに合わせて、納得できる組み合わせを見つけることが一番大切です。
🔸最近、気になっているファンドがある🔸
少し話が変わりますが、最近私が積立設定に加えた商品を紹介しておきます。
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)です。
通常のオルカンが時価総額加重で米国に約62%集中するのに対し、この商品は日本・先進国(日本を除く)・新興国の3地域に均等(各約33%)に配分します。信託報酬はとても低く、コスト面では申し分ありません。
個人的に注目しているのは割安感です。平均PERや平均PBRを比較すると、現時点では米国株より日本株や新興国株の方が割安な水準にあります。「これから伸びるのは米国より日本かもしれない」と感じていて、地域を均等に持つことで割安な市場への配分を意識的に増やしています。
もちろんこれはあくまで個人的な見方で、米国株の強さが続く可能性も十分あります。ただ、「米国に集中しすぎることへの分散」という意味でも、面白い選択肢だと思っています。
この商品については別の記事で詳しく書く予定です。
参考リンク
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・銘柄の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任のもとで行ってください。