オルカンに投資しているのに、中身を知らない人は多い(知るとより面白い!)
新NISAでインデックス投資を始めた人が最初に選ぶファンドといえば、オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))です。
でも、こんな人は意外と多いのではないでしょうか。
「積み立ててはいるけど、実際どこの何に投資しているか、よくわかっていない」
医薬品でも「成分を知らずに飲む」のは少し怖い。投資も同じで、自分のお金がどこに行っているか知っておくことは、長く続けるための安心感につながります。
今回はオルカンの中身を全部見ていきます。
オルカンとは何か、改めて確認する
正式名称は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」。三菱UFJアセットマネジメントが運用するインデックスファンドで、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI) に連動することを目指しています。
MSCIのACWIとは、先進国23カ国+新興国24カ国の計47カ国に上場する大型・中型株約2,800〜3,000銘柄をカバーする指数です。
つまりオルカン1本で、世界中の株式市場に丸ごと投資できる、というわけです。
地域別の比率:実は米国が約6割
「全世界」と聞くと均等に世界中に分散されているイメージですが、実際には大きな偏りがあります。
| 地域 | 比率(目安) |
|---|---|
| 北米(ほぼ米国) | 約62〜65% |
| ヨーロッパ | 約14〜16% |
| 日本 | 約5〜6% |
| アジア太平洋(日本除く) | 約6〜7% |
| 新興国 | 約10〜12% |
※比率は時価総額加重のため、市場の動きによって変動します。
米国だけで6割以上を占めるというのが、オルカンの実態です。
これは良い悪いではなく、「時価総額が大きい国ほど多くなる」という仕組みのためです。世界で最も時価総額の大きい株式市場が米国なので、自然とこの比率になります。
国別の比率トップ10
| 順位 | 国 | 比率(目安) |
|---|---|---|
| 1 | アメリカ | 約62% |
| 2 | 日本 | 約5.5% |
| 3 | イギリス | 約3.5% |
| 4 | カナダ | 約3% |
| 5 | フランス | 約2.5% |
| 6 | 中国 | 約2.5% |
| 7 | インド | 約2% |
| 8 | ドイツ | 約2% |
| 9 | オーストラリア | 約1.5% |
| 10 | スイス | 約1.5% |
日本が2位に入っていることは、意外と知られていません。「日本株は別で買うべきか」という問いに対して、オルカンの中に日本株も約5〜6%含まれているという前提を持っておくことが大切です。
上位銘柄トップ10:GAFAMが並ぶ
次に銘柄です。オルカンの上位保有銘柄は以下のようになっています(目安)。
| 順位 | 銘柄 | 業種 |
|---|---|---|
| 1 | Apple | テクノロジー |
| 2 | NVIDIA | 半導体・AI |
| 3 | Microsoft | テクノロジー |
| 4 | Amazon | Eコマース・クラウド |
| 5 | Meta(Facebook) | SNS・広告 |
| 6 | Alphabet(Google) | 検索・広告 |
| 7 | Broadcom | 半導体 |
| 8 | Tesla | EV・エネルギー |
| 9 | JPMorgan Chase | 金融 |
| 10 | Eli Lilly | 製薬 |
上位10銘柄で全体の約20〜25%を占めます。
テクノロジー関連が多く、いわゆるGAFAM(Google・Apple・Facebook・Amazon・Microsoft)が上位を占めているのが特徴です。
セクター別の比率
業種(セクター)別に見ると、以下のような構成になっています。
| セクター | 比率(目安) |
|---|---|
| 情報技術(IT) | 約24〜26% |
| 金融 | 約14〜16% |
| ヘルスケア | 約11〜13% |
| 一般消費財 | 約10〜11% |
| 資本財 | 約9〜10% |
| コミュニケーション | 約7〜9% |
| エネルギー | 約4〜5% |
| 素材 | 約4% |
| 公益事業 | 約3% |
| その他 | 残り |
情報技術(IT)セクターが最も大きく、全体の約4分の1を占めます。つまりオルカンは「テクノロジー企業の比率が高いファンド」でもあります。
S&P500との違いはどこか
よく比較されるS&P500(米国大型株500社に連動)との違いを整理します。
| 比較項目 | オルカン | S&P500 |
|---|---|---|
| 投資対象 | 全世界47カ国 | 米国のみ |
| 銘柄数 | 約2,800〜3,000銘柄 | 約500銘柄 |
| 米国比率 | 約62〜65% | 約100% |
| 分散度 | 高い | 米国集中 |
| 過去リターン(参考) | やや低め | やや高め |
「S&P500はオルカンの中にも含まれている」という関係性です。
米国1本に集中したいならS&P500、世界全体に分散したいならオルカン、という整理ができます。どちらが正解ということはなく、リスク許容度と考え方の問題です。
オルカンを持つ意味を改めて考える
オルカンの中身を見て、何を感じましたか?
- 米国が6割以上を占める
- 上位銘柄はテクノロジー企業が多い
- 日本株も少し含まれている
これを知った上で積み立てるのと、知らずに積み立てるのとでは、市場が大きく動いたときの心理的な安定感がまったく違います。
薬剤師として、患者さんに「この薬は何のために飲むのか」を必ず説明する立場から言わせてもらうと、「なぜこれに投資しているのか」を自分の言葉で答えられることが、長期投資を続ける最大の武器だと思っています。
オルカンはシンプルなようで、世界経済丸ごとへの信任です。それを選ぶ理由が腑に落ちていれば、どんな相場でも積み立てを続けられるはずです。
まとめ
- オルカンは全世界47カ国・約2,800銘柄に分散投資するファンド
- 実態は米国が約6割を占める米国比率の高い構成
- 上位銘柄はApple・NVIDIA・Microsoftなどのテクノロジー系
- 日本も約5〜6%含まれている
- S&P500との違いは「米国集中か、全世界分散か」
中身を知ることで、オルカンへの信頼が深まります。「何に投資しているかわからない」を卒業して、根拠を持って積み立てを続けていきましょう。
※本記事の比率・銘柄情報は記事執筆時点のものです。時価総額加重のため、市場変動により随時変化します。最新情報はMSCIまたは各ファンドの月次レポートでご確認ください。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。